変若水おちみずによって、その血が「偽りの竜胤」と化した少女。掌から米を湧き上がらせるなど、不思議な力をその身に宿している。 不死の力が戦乱の世に存在してしまうことに胸を痛めており、狼と九郎の立場にも理解を示す。狼に「不死斬り」と呼ばれる、特別な力を秘めた刀を授ける。 葦名の領主。剣聖と呼ばれるほどの腕前を誇る剣豪で、その武の力のみで、一代にして葦名の国盗りをなした。今は病の床に臥せっており、余命幾ばくもない。 大国である内府軍の脅威にさらされている葦名の行く末を憂い、跡取りである孫の弦一郎を案じているが、竜胤の血を争いに利用することには反対し、九郎を弦一郎から逃がそうとする。 狼の育ての親。孤児であった狼を戦場で拾い、厳しい修行で忍の技と掟を叩き込んだ。忍と呼ばれる存在の中でも、とりわけ稀有な実力と権威を備えた大忍びである。 3年前に起こった平田屋敷の襲撃事件で、九郎を守って戦い、死亡した。だが、死してから長いときが流れてなお、その掟は狼を強く縛り続けている。 荒れ寺にふらりと現れ、いつのまにか居着いた、落ち武者のような姿をした謎の男。料理が上手く、剣の腕もそこそこに立つ。 実は「死なず」と呼ばれる存在であり、刀や矢をその身に受けても怪我がすぐ治り、死ぬことがない。のらりくらりとした雰囲気だが、内に秘めた本性は計り知れない。自分を殺す方法を探している。 葦名城下にあるあまり人の寄りつかない荒れ寺で、ただひたすらに仏を彫り続けている、左腕のない世捨て人。かつては実力者の忍であった。 弦一郎との戦いで深手を負った狼を助け、さらに自分と同じように左腕を失った彼に忍義手という新たな力を与える。 その後も荒れ寺に狼と九郎を迎え入れるなど、何かと力になる。 狼と九郎が身を寄せた荒れ寺にしばしば現れる美しき薬師。仏師とは、幼い頃に拾われたという縁がある。 葦名の領主である葦名一心の主治医を務めており、葦名と内府軍とのいくさの動向や、竜胤を巡る一心と孫の弦一郎とのすれ違いなど、城中の事情にはそれとなく通じている。武芸の腕前もなかなかのもの。 葦名一心の孫。剣聖である祖父の気風を受け継ぎ、極めて優れた剣技の使い手。その実力は手練れの忍である狼にも比肩する。戦いの中で、狼の左腕を斬り落とした。 葦名の地を狙う内府軍との決戦に備え、竜胤の血の力を得ようと九郎を狙っている。変若水おちみずと呼ばれる薬を飲み、死に難い体となっている。 竜胤りゅういんと呼ばれる、不死をもたらす特殊な血を持って生まれた少年。葦名家の分家である平田家にかくまわれていたが、3年前に九郎を狙う何者かによって屋敷が襲撃され、狼以外の縁者を失ってしまった。 その血を権力者に利用されることを忌避し、葦名の地を脱出して竜胤の力を断つ方法を探そうとしている。 九郎に仕える熟達の忍。3年前、九郎を狙う敵に平田の屋敷が襲撃された折、深手を負って絶命しかけたが、九郎から血を分け与えられ、不死の体となって蘇った。 左腕は忍義手しのびぎしゅと呼ばれる義手となっており、鉤縄などの様々な忍具を使うことができる。忍の掟に従い、命を賭して主を守る——